2014年にKIFMEC(神戸国際フロンティアメディカルセンター)が開業されてから生体肝移植手術が9人の方に行われ先日のニュースでの報道があった通りまたお一人の方が亡くなられました。そのうち4人が成功され5人の方が亡くなられたことになるのですが、その前に日本移植学会は相次いでお亡くなりになっていることに対し『このままでは日本の移植医療の信頼が失われるという大変な危機感を持っている』と記者会見で述べられて、日本肝移植研究会と一緒にこの病院に対して声明を出すことを明らかにしました。
この結果に対しては非常に悪い印象を持ってしまいがちですがあらゆることが言えそうです。そもそも日本肝移植研究会はこの4月の報告書でKIFMECの手術で7人中4人が亡くなったことから、日本全体の1年生存率83%に比べて悪すぎること、医師の人数等体制がまだ整っていないことからKIFMECの手術中止を求めていました。今回の手術は医師の数も増やすことなどして一時中止していた手術を再開させた経緯があります。
KIFMECとは他の医療機関にて手術が困難とされた患者の為の病院で非常に難しい手術ながら一人の患者でも助けることができるならばということで行われています。そしてこのKIFMECの理事長であります田中紘一医師ですが、日本での生体肝移植7,000件以上のうち2,300件以上を手がけられた世界的権威の方でもあります。今回、手術された男性患者も術前の記者会見でも1%でも成功する可能性があるならばそれに賭けたいとおっしゃっていました。また結果的にその患者は亡くなられたのですが、その後の報道にて家族の方も弁護士を通じて一切の悔いはありませんと述べられています。
もちろん田中紘一先生をはじめ医療スタッフの方々も全力で今回の手術をされたのにかかわらず残念な結果になってしまったということが記者会見にて見受けられ伝わってきました。今回のニュースを見て本当に色々と考えさせられました。皆さんはどう思われましたでしょうか・・・