今年も早いものでまた夏に向おうとしています。この時期から気をつけなくてはならないものもたくさんあります。熱中症等よく取り上げられたりしますがその中で今回はすごく怖いマダニを取り上げようと思います。犬の散歩やハイキングなどで草むらやちょっとした森に入ったりしますがその時に潜んでいるのがこのマダニなんです。マダニと聞いて小さいダニをイメージするかとも思いますが結構目に見えて大きな生き物なんです。
一般的に家に住み付くイエダニとは違って固い外皮に覆われ大きさは普段約3mmから4mm、イエダニの約8倍から10倍に相当するものです。体は顎体部と胴体部に分かれ、胴体部に4対の合計8本の足があります。小さなてんとう虫くらいの大きさです。日本に分布するのはフタトゲチマダニとヤマトマダニ等というものだそうです。このマダニが犬や野生の鹿、イノシシなどの動物に飛び移り血を吸って寄生するのがこのマダニの生業です。人にも寄生するとのことです。もちろんペットの犬に良く寄生しているので嫌な生き物なのですが、このマダニの一番怖いところはこの吸血する時に出る唾液が一番恐ろしく、この唾液にSFTSウイルス(重症熱性血小板減少症候群)がある可能性が高く噛まれて感染してしまうと、6日から2週間くらいの潜伏期間がありその後38度以上の発熱や消化器症状の嘔吐・下痢・腹痛・食欲低下などが起こり重症化すれば死に至ります。このウイルスに対する治療薬やワクチンは開発されておらず致死率が29.1%と言われているところが怖いところです。
2013年1月に国内で1例目が確認され2011年に中国にて発見された新しい病気とのことで、国内の感染症発生動向調査によると2015年4月までに愛媛・宮崎・高知・徳島・鹿児島など西日本の15県で110人が発症してようです。今のところは東日本や北日本では発症報告が無いものの北海道・群馬・栃木・山梨・長野などでもSFTSウイルス遺伝子を持ったマダニが見つかっているとのことです。
ではマダニに噛まれないためにどうすれば良いのかということになるかと思いますが、草むらや藪などマダニが多く生息する場所に行く時には、長袖・長ズボン・足を完全に覆う靴・帽子を着用して肌を露出しないようにすることが必要だということです。
噛まれてしまった場合は無理に引き抜こうとせず、すぐに病院(皮膚科)に行って処置をしていただくことが一番のようです。吸血中のマダニに気がつき引き抜くとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、体液が逆流しウイルスや細菌を注入してしまう恐れがあるとのことです。またマダニに噛まれた後は数週間程度は体調の変化に注意することも大切です。
なんだこの生き物は?と思ってしまいますね。噛まれればかなり面倒臭くて死に関わるので噛まれないようにするのが良いですね。皆さん!この夏!気をつけた方が良さそうです。